司法書士を活用して遠方の不動産売却をスムーズに進める方法

山形の土地を東京から売却する場合など、通常不動産売却は現地で手続きをしなければならないことも多くありますが、司法書士をうまく活用すればそれらの手間を減らすことができます。

一般的な不動産売却の手続きの流れ

まず、一般的な不動産売却の手続きの流れは以下のように進みます。

  • 不動産会社に価格査定を依頼する
  • 不動産会社と媒介契約を締結する
  • 不動産会社が売却活動を行う
  • 不動産会社が見つけた買主と売買契約を締結する
  • 銀行で売却代金を受け取り所有権移転登記する

この内、価格査定や媒介契約の締結はネットや郵送でのやり取りで簡単に行えます。

売却活動は売主は何もしなくとも、不動産会社が行ってくれます。

しかし、売買契約の締結や所有権移転登記は現地で立ち会って行うのが一般的です。

司法書士に依頼してできること

遠方から不動産を売却する際に司法書士に依頼する事は、不動産に関する登記全般の事です。

不動産売買の決済時には司法書士に登記手続きを代行してもらうことになりますが、場合によっては売買契約時から立ち会ってもらう事もあります。

司法書士に不動産売買契約を委任できる

司法書士は不動産登記の専門家ですが、事務所によっては不動産登記だけでなく、不動産売買手続き一切まで請け負っているところもあります。

こうしたところでは、手数料を支払う必要はあります不動産売買契約の一切を代理人として任せることもできます。

司法書士に不動産売却の決済を委任できる

通常、不動産の売買は現地で立ち会って決済を行いますが、司法書士に依頼すれば現地に行かなくても手続きを進めることができます。

共有持分がある時の契約・決済は委任状があれば代表者だけで良い

売却予定の不動産を兄弟3人で共有して保有しているような場合、決済時には全員が立ち会うのが一般的で、その日程を合わせるのも一苦労です。

特に遠方の不動産だと必要な書類を揃えるのだけでも大変です。

そのため、司法書士に依頼して委任状を作成してもらえば、代表者だけ決済に立ち会い、それ以外の人は委任状にサインするだけで手続きを済ませることもできます。

司法書士が不動産の登記をするには本人確認が必要

平成20年3月1日より「犯罪による収益の移転防止に関する法律」が施行され、司法書士が不動産売買の登記手続きの依頼を受けた場合、当事者の本人確認を行うことが定められました。

ですから、所有者と司法書士とで直接面談して、運転免許証などの本人確認書類を受け取る必要があります。

これは共有持分を持つ所有者も同じで、司法書士は共有者全員と面談する必要があります。

電話による本人確認も可能

ただし、遠方に住んでいる場合など本人と面談できない時には電話による本人確認も可能です。

この場合、土地の所有者は電話で生年月日などを答え本人であることを確認し、郵送で運転免許証の写しなどの本人確認書類を送る事になります。

※この辺りの手続きは依頼する司法書士によって異なります。

本人限定受取郵便

遠方の方で電話による本人確認を行う際は、登記委任状などの登記に関する書類を本人限定受取郵便で送ることが多いです。

本人限定受取郵便は、その名の通り指定した本人しか受け取ることのできない書類で、受け取る人は免許証などの身分証明書を提示する必要があります。

一回も現地に足を運ばないのはオススメできない

このように、遠方からでも司法書士を活用すれば一回も現地に足を運ばず全ての手続きを済ますことも可能です。

しかし、信用のおける知人の司法書士がいるのであれば良いですが、そうでなければ大事な不動産売却手続きの一切を委任してしまうのはオススメできません。

売買契約や決裁時にはできるだけ現地に足を運ぶのが良いでしょう。

不動産会社の担当者を活用しよう

どうしても現地に足を運ぶことができない時には司法書士に依頼すれば手間をかけずに売却を済ませることもできます。

とはいえ、知り合いの司法書士もおらず、どうやって探せば良いか分からない、という方も多いでしょう。

自分でインターネットで近くの司法書士を探しても良いですが、不動産会社の担当者にお願いすれば、司法書士を紹介してもらうことができます。

その不動産会社でいつも登記依頼を受けている司法書士がいるはずで、不動産会社と司法書士との連携も取りやすいのでオススメです。

ただし、不動産会社やその担当者が信頼できる事が前提です。

司法書士と担当者に連携を取ってもらおう

不動産売却の手続きは、基本的には不動産会社の担当者が進めていくので、ちゃんとした担当者を見つける事ができれば色々な提案をしてくれるはずです。

不動産の売却の一切を任せてしまえば、あなたは不動産の売却をするにあたり、ただ返事をしたりサインしたりすれば良いだけです。

ただ、中には悪質な不動産会社もいるので不動産会社やその担当者をよく見極めるとともに、取引の内容の基本的なところはしっかり理解しておくことが大切だといえるでしょう。

まとめ

遠方から不動産売却を進める場合、あまりオススメはできませんが、その一切の手続きを司法書士に一任することができます。

大きな金額の動く取引のため、信頼できる司法書士に依頼する必要がありますが、知人などいないようであれば、不動産会社の担当者から紹介を受けると良いでしょう。

そのためには信頼できる不動産会社や、その担当者を見極めることが大切です。

瀬川【山形不動産売却研究所】主任研究員

投稿者プロフィール

宅地建物取引士、FP2級技能士(AFP)資格を持っています。

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