山形の実家を直接買取で売却するメリット・デメリット
不動産の売却では不動産会社に仲介を依頼するのが一般的ですが、直接買い取ってもらう直接買取という方法もあります。
特に、今は違うところに住んでいて、遠方から山形の不動産を売却するような場合、直接買取のメリットが活きるケースも少なくありません。
今回は遠方から直接買取による方法で不動産を売却するメリットとデメリットをお伝えします。
■直接買取と仲介の違い
不動産の売却方法には一般的な仲介による方法以外に、不動産会社に直接買い取ってもらう直接買取があります。
ここでは、直接買取のメリット・デメリットをお伝えする前に、売却の流れ、経費、売却価格の3つの点で直接買取と仲介の違いをお伝えします。
●直接買取と仲介の流れの違い
直接買取と仲介の売却までの流れを比較してみると、直接買取は価格が決まればすぐに売却できるのに対し、仲介では時間と手間がかかります。
仲介による不動産売却の流れ
仲介による不動産売却は最も良く利用される方法で、以下のような流れで進みます。
- 不動産会社による価格査定
- 不動産会社との媒介契約
- 不動産会社による売却活動
- 買主との売買契約
- 買主から現金を受け取り、不動産を引き渡す
上記の流れがスムーズに進むこともありますが、不動産会社による売却活動の段階で買主がうまく見つからないと、数ヶ月〜数年単位で話が進まないこともあります。
直接買取による不動産売却の流れ
直接買取による不動産売却の流れは以下の通りです。
- 不動産会社による価格査定
- 不動産会社との売買契約
- 不動産会社から現金を受け取り、不動産を引き渡す
直接買取による方法では、価格の交渉は必要ですが価格が折り合えばその後はスムーズです。
登記や境界など問題がなければ数日〜数週間で売却が完了してしまうことも珍しくありません。
●直接買取と仲介の経費の違い
直接買取と仲介との経費の違いでは仲介手数料の有無が大きなポイントとなります。
○仲介の経費
不動産売却を仲介による方法で進める場合、以下のような経費がかかります。
- 仲介手数料
- 印紙代
- 登記費用
- 譲渡所得税
仲介を依頼した不動産会社を通して売買契約が成立した場合、不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります。
仲介手数料は売買代金の3%+6万円+消費税(売買代金が400万円超の場合)に設定されていることが多く、例えば1,000万円の不動産を売却すると38.88万円となります。
○直接買取の経費
直接買取では、以下のような経費がかかります。
- 印紙代
- 登記費用
- 譲渡所得税
仲介手数料以外の経費は仲介と同じですので、経費の面では仲介手数料分お得だと言えます。
●直接買取と仲介の売却価格の違い
直接買取と仲介の売却価格を比べると、直接買取の方が仲介よりかなり安くなってしまうのが一般的です。
○仲介の売却価格
仲介による方法で不動産を売却する場合、
- 不動産会社が決めた売れそうだという価格で売却活動
- 買主が見つからなければ値下げをするかの判断
- 買主が見つかっても価格交渉で値下げすることもある
以上の過程で、売却価格が決まり次第売買契約を締結します。
○直接買取の売却価格
不動産会社は買い取った不動産をリフォームやリノベーション、建物解体、造成工事など行って商品に仕上げるため、そのための費用と不動産会社の利益が売却価格から差し引かれます。
一般的には、仲介による売却価格の5〜7割程度となることが多いです。
■遠方(山形)の不動産を直接買取で売却するメリット・デメリット
以上を踏まえた上で、遠方の不動産を直接買取するメリット・デメリットをお伝えします。
●遠方(山形)の不動産を直接買取で売却するメリット
遠方の不動産を直接買取で売却するメリットには以下のようなものがあります。
○手間がかからない
遠方の不動産を直接買取で売却するにあたり特にメリットとなるのが手間がかからないということです。
仲介による売却では不動産会社との媒介契約、売却活動、買主との価格交渉などやることが多く、遠方だと問題が起きた際に足を運ぶのも大変です。
一方、直接買取では最初の価格交渉がまとまってしまえば後は決められたことをやるだけです。
○リフォーム不要の現状買取
2つ目のメリットが現状買取で良い、という点。
仲介による売却では現状で売却するのももちろんできますが、物件の状況が良くなければリフォームしたり、土地として売却する場合には建物解体したりしたほうが売れやすくなります。
しかし、遠方の不動産だとその都度打ち合わせするのも大変ですし、不動産会社を信頼して任せるにしても多額のお金を払うとなると勇気が要ります。
一方、直接買取では売却した後、不動産会社の方で手を加える為現状での売却となります。
○瑕疵担保責任の免責
3つ目のメリットは瑕疵担保責任が免責されるという点。
瑕疵担保責任とは、売買した不動産になんらかの瑕疵(欠陥)があった場合に売主がその責任を取るというもの。
仲介による売却では一般の個人が相手のため、売却後数ヶ月の瑕疵担保責任が付くのが一般的です。
一方、直接買取ではプロである不動産会社が買主となるため、法律で瑕疵担保責任が免責されることが決められています。
遠方による不動産売却で、長く人の住んでいない家や土地を売るような場合にはどんな問題が起こるか分からないもの。
売却後の責任がなくなるのは大きなメリットではないでしょうか。
■遠方(山形)の不動産を直接買取するデメリット
遠方の不動産を直接買取するデメリットですが、これは遠方であってもなくても関係なく、売却価格が安くなってしまうという点に尽きます。
直接買取のデメリットはこれだけですが、非常に大きな問題なので慎重に比較検討するようにしましょう。
■まとめ
不動産の売却方法には仲介による方法以外に直接買取による方法がありますが、特に遠方からの売却の場合直接買取は有効な選択肢の一つとなりやすいです。
直接買取では唯一にして最大のデメリットである売却価格の問題がありますが、不動産を売却するための手間や、売却期間の問題と、安くなってしまう売却価格とを天秤にかけてメリットの大きい方を選ぶと良いでしょう。